きゅうりの育て方|プランター栽培で採れたてを食べましょう
きゅうりの育て方を初心者にもわかりやすく解説。
きゅうりをプランターで栽培するのは難しいと思っていませんか?
要点をしっかりと抑えてトライすると採れたての、瑞々しいきゅうりを頂けますよ。
病気や害虫の対策や、栽培の要点などおいしいきゅうりを収穫するための参考に成る事を願って。
キュウリはウリ科の野菜です。
歴史的には
「胡瓜」とも書きますが,これは中国西部にあった国の「胡」に由来します。
しかし江戸時代までのきゅうりは苦かったため、栽培が盛んになったのは品種改良が行われ始めた明治 以降です。
(切り口が徳川葵(あおい)の紋に似ているので食べれなかったとも…)
成分の約95%が水分ですが、カリウムが多く含まれています。
カリウムには利尿作用があり、むくみ改善が期待されます。(ただし、透析を必要とするほどの重度の腎不全の方は、胡瓜、スイカは控えてね)
暑い夏には欠かせない食材のきゅうり。
サラダや漬物でおいしくいただくのはもちろんですが、
炒め物にしてもポリポリとした食感が楽しい料理に仕上がりますよ。(マヨネーズやドレッシィング、酢の物などにして簡単に食べられますよね)
取れたてのきゅうりにはイボがあります。これも見た目が悪いということでイボのない品種が出回っていますが、このイボは鮮度が失われていくと柔らかくなっていくので、
触ってチクチクするぐらいのほうが鮮度が良いと言えます。
このイボは収穫の時や輸送中に自然に取れてしまうこともあるのです。
これが鮮度の証であると知っているきゅうり農家は、収穫時などになるだけきゅうりに触らないように気遣っています。
きゅうりをプランターで育てる時期
きゅうりは春から育てはじめて、夏に収穫を楽しむ夏野菜です。
苗の購入
種からは発芽が難しいのと、接ぎ木苗だと病気に強いので初心者には苗からがお勧めです。
植え付けと支柱仕立て時期 4月下旬頃から5月中旬
脇芽取りと追肥 5月上旬頃から収穫の間は、ずーとしてね。
きゅうりをプランターで育てる環境
ベランダなど日当たりと風通しのよい場所で育てます。
きゅうりを元気よく育てるコツは、日光によく当てること。
植物は光合成により葉を大きく育たせるので、日光と水と酸素のバランスを上手にとることが大切です。
朝日が当たり、西日の当たらない南向きのベランダで育てられるのがベスト。
ベランダが無かったり、ベランダの日当たりが悪い家庭では、庭先や玄関先での栽培もご検討ください。
GW頃に苗を植えつけよう
家庭菜園できゅうりを定植する時期は、大体霜がなくなって10~15日後くらいが安心。
平均的な地域では5月上旬の連休ごろがよいでしょう。但、ホームセンターで苗を売ってる間は遅くなっても大丈夫です。
実は、きゅうりには春まき、夏まき、秋まきが有ります。
春まきは地温が低いので、育苗してから定植。 4月に種を蒔いて5月に植え付け6~8月に収穫します。家庭菜園ではこれが一般的です。
夏まきは直播きで、6月に種を蒔いて、7~9月に収穫します。
秋まきも直播きで、8月に種を蒔いて、9~10月に収穫します。慣れて来たら夏、秋まきでの栽培もおこない長く楽しむのも良いかなと思います。
プランターは30L以上のものを
きゅうりは生長すると草丈が2m前後になり、また栽培も長期にわたるので、
コンテナは30L以上の大型のものを使用します。(私のお勧めは、経験上50Lですね)
夏の熱帯夜は要対策
夏の熱帯夜はきゅうりにとって過酷な環境。
エアコンの室外機から出てくる温風に直接当たらないようにするのは当たり前として、
レンガやスノコといった台に載せて地面から離してあげるなど、置き場所には十分配慮をしましょう。
きゅうりのプランター栽培に必要なもの
・きゅうりの苗
・プランター(30L以上のもの)
・培養土(25L)
・肥料
・支柱(180cm以上の丈を3本)(柵などが利用出来れば、ありがたいですね。)
・誘引に使う紐
・ジョウロ
・剪定ハサミ
苗にまつわる注意点
苗はいきものです。 購入した苗を、家に持ち帰ってすぐ植えるのは避けましょう。
苗は節の詰まったしっかりした苗を選ぶのがポイントです。植えた後は、そのままだとつるの先が風で傷むので、仮支柱を立てて誘引しておきます。
購入した苗は、軒下で2~3日程度外気温に慣らしましょう。
急に温度差のある環境で植えると生理障害を起こす要因となります。 また、風の強い日ですと、苗が風にあおられて生長に支障をきたします。
植え付けは、なるべく暖かく風の吹いていない日に行います。
苗をプランターに植え替えるまでの期間は、毎日の水やりを絶やさないようにしてあげてください。
植える2時間程度前にたっぷり水を吸わせて、比較的浅植えを心がけましょう。畑の土より、ポットの土が少し出るようにするのがポイントです。
またその際に、土を押しつけて固めないように注意します。
同じ科の植物を毎年同じところに植え続けると生育障害が発生することがあります。これを連作障害といいます。きゅうりはウリ科の植物で、きゅうりだけでなく
ゴーヤ、スイカ、カボチャなどを同じところで栽培すると連作障害が発生します。きゅうりをはじめてとしたウリ科の植物は2〜3年は間隔をあけて栽培するようにします。
また、家庭菜園でスペースが限られているなど、同じ場所で栽培することが避けられない場合は、接ぎ木苗を使います。接ぎ木苗とは実をつける穂木(今回の場合はきゅうり)と、
耐病性があり根となる台木(カボチャなど)をついだ苗です。値段は割高になりますが、連作障害以外にも初期発育がよいなどのメリットがありおすすめです。
①用土について
きゅうりの根は浅く広く張るので、過湿や乾燥に弱く、排水性や通気性の悪い土ではうまく育ちません。水はけや通気性の良い土を好みます。
プランター栽培の場合は野菜の培養土を購入して使うのがおすすめです。
土壌pHは5.5~7.2が適当です。 (市販品は殆どがこの範囲に調整されていますので安心です)
②苗の植えつけ
定植 定植時期の目安は、晩霜の心配がなく最低気温10℃以上、最低地温15℃以上になったころです。
平均的な地域では5月上旬の連休ごろがよいでしょう。
植えつけの1週間前までに石灰や堆肥、化成肥料などの元肥を施しておきます。
根鉢にたっぷりと水を含ませる
根鉢を崩さないようにポットから取り出し、苗を植えつける
株元を軽く押さえて、たっぷりと水をやる
乾燥を防ぎ、水や土の跳ね返りを防ぐために敷きわらを敷く
敷わらマルチ
きゅうりはもともと地面を這って生育します。そのため自然状態では根はつるで保護されるので、根が浅い所に生えます。
支柱やきゅうりネットを使って上に向かってつるが伸びていくと、その浅い根に日光や水が過剰にあたってしまいます。
これを防ぐために、敷わらや刈草を敷くと良いです。土の乾燥を防ぎ、泥はねによるべと病を予防する効果があります。
しかし、ワラは薄めにしなかければいけません。きゅうりの根は浅いところを好むためにワラを厚めにすると、土とわらの間に根を伸ばしてしまうからです。
(以前厚めにしてしまって、土と藁の間に根を伸ばされました)
③支柱立て
植えつけたら、長さ180cm以上の支柱3本をプランターに立てます。
各支柱の上部はピラミッド型に紐で縛ります。(ホームセンターでも支柱は売っていますので、利用しても便利で早くし仕立てれられます)
「誘引」はやさしく8の字で
支柱を立てたあとに、茎と支柱を紐で結びつけることを誘引といいます。
茎が傷まないようにゆとりを持たせながら、8の字で結びつけましょう。
注)きゅうりは生長が早くどんどん大きくなるので、倒れてしまわない様にその都度誘引をしましょう。
支柱の仕立て方は、他にもいろいろと有りますが、必要が有ればまた取り上げたいと思います。
④水やり
大量の水を必要とするため、春から夏にかけて、早い時期から頻繁に水やりをする必要があります。
生育期の初期には、週に1~2回程度水やりをする必要があります。 季節が進むにつれて、水やりの頻度を増やす必要があります。
夏場は天候によって1日に2回以上水やりをする必要があるかも知れません。
⑤摘心・わき芽をとる
茎と葉の付け根の部分から出てくる新しい芽のことを「わき芽」といいます。
そのままにしておくと四方八方に葉や枝が茂るので栄養が分散してしまったり、病害虫の原因にも成ります。
わき芽とりに加えて、主枝に栄養を行き渡らせるために「摘心(てきしん)も行います。
子づる、孫づるは2本程度に仕立てるのが長持ちの秘訣です。
本葉が出て来たら、5節までは必ず脇芽を取りましょう。
風通しや採光をよくするために、古い葉や下葉を摘除してすっきりさせます。とくに老化して黄色くなった葉や病害虫に侵された葉は、その時々で取り除きます。
下葉を摘除は1回に3~4枚程度にとどめましょう。下葉を摘除しすぎると株が弱まってしまうので注意が必要です。
他のブログなどでは取り上げてない事も多いのですが、きゅうり栽培で最も大切な事は「苗を育ててから収穫に入る」のが肝要です。
又、きゅうりはあまり大きくしないうちに早めに収穫するのが長く収穫して、美味しく頂くコツです。
育っているからと苗が成長途中で実を大きくしてしまうと、その後に負担が掛かって失敗する原因に成りますので注意をしましょう。
⑥肥料(追肥)
植物を植えつけた後に施す肥料のことを「追肥(ついひ)」と呼びます。
きゅうりがすくすくと育つように、まずは支柱を立てたら株元に肥料を与えます。
その後も2週間おきに追肥を繰り返し、きゅうりのすこやかな生長を促します。
きゅうりの様に栽培期間が長く成る元肥えには、「マグアンプK」などを
追肥にはリン酸の割合が多いハイポネックス原液を薄めて上げると良いでしょう。
有機肥料では追肥後、土の表面に白カビのようなものが発生する場合があります。
これは肥料に含まれる「酵母菌」というものです。暖かくなるとこの酵母菌がつきやすくなりますが、
全く害はありません。
見た目が気になる場合は、5cm程度土を掘り起こして土中に肥料を入れてください。
化成肥料だけで無く、有機肥料も使って行く事をお勧めします。(私は、有機肥料を使う事で野菜本来の味がするなと感じています)
きゅうりの実がが曲がって育ち出したら、肥料の不足と判断しましょう。
⑦収穫
きゅうりの実が長さ9~10cmほどまで大きくなったら収穫の合図です。
天気や水やりなどで違いますが、あっという間に大きく成りますので、
表面のトゲに注意しながらハサミで収穫しましょう。
収穫の適期は果実の長さが約20cm程度の時ですが、14~15cmのミニサイズで収穫すると、ふだんとはまた違った食味が味わえます。
反対に大きくなりすぎると皮がかたくなり生食には向かなくなります。(個人的には、この大きさで食べるのが好みで家庭菜園にはまってしまいました)
収穫時のポイント
朝に収穫する事。 きゅうりは夜に養分を蓄えるので、朝収穫したほうがみずみずしくて美味しいです。
実の表面についているトゲは鮮度を守っていますが、収穫時に取れてしまうことが多いです。きゅうりの首の方を持ってハサミで切って収穫します。
奇形果
果実の下部が膨らむ尻太果、果実の上部が膨らむ尻細果、果実全体が曲がっている曲がり果などを奇形果といいます。これは樹勢が衰えていたり、肥料や水分が足りないことが原因です。
株の小さいうちに根をしっかりと張らせる。 追肥や水やりをしっかりと行う。 奇形果を見つけたら早めに採ってしまって、株の負担を軽くしてやる。
きゅうりのプランター栽培で注意すべき病気や害虫
きゅうりのプランター栽培で注意すべき病気や害虫について解説します。
【病 気】
きゅうりの代表的な病気には、うどんこ病やべと病、褐斑病などが挙げられます。
うどんこ病は、葉の表面に白い粉のような下部が生えます。これは土の中にいた糸状菌の胞子が風にのって運ばれることによって伝染します。うどん粉病の対策は、発病した葉を早めに切り取って処分することです。
きゅうりは夏から秋にかけてと収獲期間が長いので、病気にかかって生長が阻害されてしまわないように注意が必要です。
べと病
葉に淡黄色の境界のはっきりしない小さな斑点ができて、症状が拡大すると色が淡褐色に変わり斑点も大きくなります。葉の裏にはすす状のカビが生えています。
病斑同士がくっついて葉全体に広がることもあります。雨が続いて湿度が高いとこのような葉はベトベトになるので、この名がついてます。きゅうりで最もよくある病害です。
この病原菌は糸状菌の一種ですが、泥はねから感染することが多いです。
予防としては、密植を避けて、過湿にならないように畝を高くして排水を良くします。敷わらマルチや黒マルチで泥がはね飛ばないようにすることも有効です。
また収穫期に肥料切れして株が弱まってきたときにも起こりますので、肥料切れを起こさないようにします。
また、きゅうりには連絡障害も多いです。きゅうりやゴーヤ、さつまいも、スイカ、マクワウリ、メロンなどのウリ科の植物の連作障害で土壌が酸性になったときに起こりやすいです。
つる割病
下葉がしおれて黄色くなり、だんだんこれが株全体に広がります。そして病気が進行すると、株元の茎が縦に割れてカビが発生します。
対策は早期に抜き取って焼却処分します。
私はせっかく家庭菜園をするのですから出来れば農薬は使いたくないので、安全なもので対策しています。
重曹水を葉の両面に散布してあげて下さい。 重曹水はホームセンターで売っているお掃除用の物でも良いですし、重曹1gに水500mlを良く混ぜてスプレーで散布します。
これを2週間に1回。 2~3回程度で防げています。 うどんこ病の様に「葉に白い点々」が出てからでも少ない内なら間に合いますよ。
ストチュウも良いのですが、酢は濃度を間違えると枯らす危険が有るので、ウリハムシを確認しない限り使用はしません。
【害 虫】
きゅうりの害虫で特に気をつけたいのが、アブラムシやハダニ、ヨトウムシ、ウリハムシなど。
水やりのたびに葉の裏側をチェックして、害虫に狙われていないか確認しましょう。
きゅうりの葉っぱに穴が空いているのを見つけたら、ウリハムシが原因である可能性が大きいでしょう。 気温が高い時期に活発に活動するため、5月〜8月頃の被害ならほぼ間違いありません。
ウリハムシの嫌いなものは、ニンニク・唐辛子・木酢液・ネギなどの強い香りのする植物です。 ここでストチュウの出番ですね。
ストチュウであれば、おおよそ上記の害虫の予防に効果が有ります。
*材料はこれだけです。
・醸造酢………300ml ・焼酎…………300ml ・木酢液………300ml 作る量にも寄りますが、この比率で作って、100倍から200倍に薄めて使います。
ストチュウについてもまた、日を改めて取り上げたいと思いますが、素晴らしい害虫予防薬だと思って居ます。
家庭菜園でのきゅうり栽培は手間と時間を要しますが、その分収穫の喜びもひとしおです。
皆さんもぜひ、プランターできゅうりを育てて市販品では味わえない、瑞々しい新鮮なきゅうりを楽しんでください!
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